法教育って何?
法教育とは
「法律」というと、一般の方々の中には、難しくて、自分にはあまり関係のない世界だと考えている方も多いかもしれません。ところが、市民生活は、多くの場面で法律によって基礎づくられています。それなのに、一般の市民が、普段から生活で「法律」を意識することはあまりないと思われます。
実は、市民の方が巻き込まれるトラブルの中には、法律の条文そのものは知らなかったとしても、法やルールの背景にある価値観を理解し、法的なものの考え方を身につけていれば、トラブルを回避できたケースや、トラブルに巻き込まれたとしても、泣き寝入りすることなく適切な解決ができたケースは数多くあるのです。
そこで、法教育は、市民の方々に、具体例を用いて、法は共生のための相互尊重のルールであることや、日常生活を支える私法の基本的な考え方、人権と国の仕組みを定める憲法および法の基礎にある基本的な価値などを、実感として理解し、身につけていただくことで、市民の皆様に次のような力を養っていただくことを目的としています。
- 法の仕組みを知ることであらかじめ紛争を防止し、仮に紛争が発生した場合にも、法に基づいた妥当な解決ができる力
- 法によって守られているのは自らの権利だけではなく、他人の権利も自己の権利と同様に尊重しなければならないことを理解できる力
- 主権者として、法やルールを定める過程に積極的に参加することの重要性を理解できる力
千葉司法書士会では、これから社会に出る生徒達に、身の回りで起こりうる問題についての法的なものの考え方を学んでいただくことを目的に、法教育推進委員会が中心となり、高校生向けに消費者講座を通年開催しています。
平成22年度も既に15校から申し込みがあり、講座も順次開催されています。
おもな講座の概要内容は以下のとおりですが、開催日時、場所及び内容等については、各学校のご希望により柔軟な対応、アレンジも可能です。
詳しくは、お問い合わせ下さい。
講座の時間
45分から2時間程度まで対応可能です。
定時制の授業時間にも対応出来ます(毎年応募もあります)。
講座の内容
- 1.契約についての基本的知識を身につける
- 2.悪質商法に引っかからないための基本的知識を身につける
- 3.多重債務に陥らないための基本的知識を身につける
- 4.その他のご希望の講座
高校生講座実績
| 平成16年度 | 6校で開催 |
|---|---|
| 平成17年度 | 8校で開催 |
| 平成18年度 | 6校で開催 |
| 平成19年度 | 5校で開催 |
| 平成20年度 | 5校で開催 |
| 平成21年度 | 18校で開催 |
| 平成22年度 | 17校で開催 |
消費者被害の予防(事後救済)と消費者教育
多重債務問題や悪質商法被害は重大な社会問題の一つとして挙げられます。
我々司法書士は職務上、相談者を通じ、このような問題に接する機会が非常に多いこともあり、多重債務に苦しむ方や悪質商法被害者を容易に生み出さない世の中を実現するために多岐にわたる活動をしてまいりました。
例として挙げると、関係省庁に対して法改正や規制強化等を求める活動をし、その成果として、最近では特定商取引法や貸金業法の改正を果たすことができました。
しかし、こうした法改正は一定の効果はあるものの、すぐに規制の網の目をくぐるような悪質商法が出現し、結局はいたちごっこ状態が続いているのが現状です。
つまり、法改正や規制強化等の事後規制だけでは多重債務問題や悪質商法被害をなくすことは難しいのです。
では、法改正や規制強化等とともに、どのような活動をすれば多重債務に苦しむ方や悪質商法被害者を容易に生み出さない世の中を実現することができるのでしょうか?
このような問いに対し、導かれたものが消費者教育などと呼称される活動です。
多重債務に苦しむ方の中には「もっと簡単に返していけると思っていた」「こんなはずではなかった」などとおっしゃる方がおります。
確かにキャッシングやクレジットは計画的に利用することができれば、とても便利なものです。しかし、長期にわたって利用することで感覚が麻痺し、計画性を失ってしまうと、返済ができなくなるほどの額まで借金が増えてしまう、そんな落とし穴をはらんでいます。
こうした落とし穴の存在を意識していれば、最初に借入する際に本当に借りなければいけないお金なのか、仮に借りるにしても返済していけるのかという問題も考えてからの借入だったと思うのです。
また、悪質商法の被害者の中には「自分はだまされない」と思っていたとおっしゃる方がおります。
しかし、悪質商法と言われるものには、想像している以上に巧妙な手口によるものが存在し、また、日々新たな手口が誕生しています。
こうした悪質商法の手口を知っていれば、だまされる可能性は低いでしょうし、だまされたとしても、すぐにだまされたことに気付き、何らかの対処をすることができるのではないでしょうか。
つまり、キャッシングやクレジットの中にはらんでいる落とし穴の存在を説明したり、また、悪質商法の手口やその対処法を紹介したりする、いわゆる法教育と呼ばれている活動を通して、市民に法についての考え方を学んでいただくことは、法改正や規制強化等と並び、多重債務に苦しむ方や悪質商法被害者を容易に生み出さない世の中を実現するための両輪を担うことになると考えています。
